(224)
会社帰り、ミヤコさんは、駅で向かいの小笠原さんといっしょになる。
「ああ、どうもどうも。」
ミヤコさんは軽く頭を下げる。
「あ、これはお向かいのミヤコさん。」
小笠原さんも頭を下げる。
「聞きましたよ、小笠原さん。お宅、亭主関白なんですって?」
ミヤコさんがにやにやしながら聞く。
「いやあ、ははは、まあ、それが一番やりやすいんですよ、お互いに。」
小笠原さんは頭をかく。
「奥さん、文句言いませんか?」
「文句は、言わないですね。」
「へ~。よく出来た奥さんだ。
うちのやつなんか、ふたこと目には『何にもしない』と責めますよ。」
ミヤコさんは人差し指を頭の横に立てて、オニの角をあらわす。
「ミヤコさんの奥さんは、よく出来るかただから。
うちの妻はほんとに何にも出来ないんですよ。」
小笠原さんは恥ずかしそうに笑う。
「またまた、ご謙遜。
奥さん、清楚でおしとやかで、家では三つ指ついて待っててくれるなんて・・・。
男の理想ですよね~。」
ミヤコさんはうらやましそうに言う。
「あははは。まあ、中身はどこもよく似たもんなんじゃないですか。」
小笠原家。
いつものようにスウェットに着替えて、風呂そうじを始める小笠原さん。
奥さんがニコニコしながら、それを眺めている。
「ダンナ様、いつもありがとうございますね。」
「うむ。」
小笠原さんは重々しく うなずく。
ミヤコ家。
風呂上り、いつものようにスウェットに着替えて、耳そうじを始めるミヤコさん。
奥さんがにがにがしく、それを眺めている。
「だんだん腹!いつも太うございますね!」
「うん?」
ミヤコさんは重く重く なっていく。
会社帰り、ミヤコさんは、駅で向かいの小笠原さんといっしょになる。
「ああ、どうもどうも。」
ミヤコさんは軽く頭を下げる。
「あ、これはお向かいのミヤコさん。」
小笠原さんも頭を下げる。
「聞きましたよ、小笠原さん。お宅、亭主関白なんですって?」
ミヤコさんがにやにやしながら聞く。
「いやあ、ははは、まあ、それが一番やりやすいんですよ、お互いに。」
小笠原さんは頭をかく。
「奥さん、文句言いませんか?」
「文句は、言わないですね。」
「へ~。よく出来た奥さんだ。
うちのやつなんか、ふたこと目には『何にもしない』と責めますよ。」
ミヤコさんは人差し指を頭の横に立てて、オニの角をあらわす。
「ミヤコさんの奥さんは、よく出来るかただから。
うちの妻はほんとに何にも出来ないんですよ。」
小笠原さんは恥ずかしそうに笑う。
「またまた、ご謙遜。
奥さん、清楚でおしとやかで、家では三つ指ついて待っててくれるなんて・・・。
男の理想ですよね~。」
ミヤコさんはうらやましそうに言う。
「あははは。まあ、中身はどこもよく似たもんなんじゃないですか。」
小笠原家。
いつものようにスウェットに着替えて、風呂そうじを始める小笠原さん。
奥さんがニコニコしながら、それを眺めている。
「ダンナ様、いつもありがとうございますね。」
「うむ。」
小笠原さんは重々しく うなずく。
ミヤコ家。
風呂上り、いつものようにスウェットに着替えて、耳そうじを始めるミヤコさん。
奥さんがにがにがしく、それを眺めている。
「だんだん腹!いつも太うございますね!」
「うん?」
ミヤコさんは重く重く なっていく。