とりぶう の 宮古島日記

宮古島移住者の生活。いろいろなことがあるけど、基本的に楽しい方向で生きていく方針です。夫しかちくと認知症お義母さんとの3人暮らし。

2008年08月

宮古島でゴキブリ退治

(271)

この間、部屋にデカゴキブリがあらわれました。

本州ではまずお目にかかれないような、てかてかと光り輝く特大サイズ。

しかちくは退治しようと張り切って、わたしのスリッパを持ってきます。

こんなとき、自分のスリッパをもってこない男、しかちく。


彼は慎重に構え、

「このタンスのすき間に入ったら最悪やからな。」

といい大きく手を振り上げて、ばしんとたたきました。

「ああっ、最悪!」

ゴキブリはスリッパにかすりもせず、ふてぶてしくタンスのすき間に入って行きました。

次の日、またデカゴキは現れました。

今度はクーラーの横です。

しかちくはリベンジとばかりに、わたしのスリッパを持ってきて、

「このクーラーに逃げ込んだら最悪やからな。」


といいながら、イスに乗って構えようとした時点で、

「ああ~っ、最悪!」

という事態になってしまいました。

おいおいおいおい、あんたはミスター最悪か!情けないなあ。

「あのな、ゴキブリ退治にはコツがあんねん。

あんまり手を大きく振り上げすぎたら、その空気の動きでゴキは逃げんねん。

だから、あくまでも『なんもせえへんで』ていう顔をして、ばしんとやんねん。

振り上げるんじゃなくて、押し付ける感じで・・・。」

わたしはプロとしての心得をとうとうと説きました。

(いつのまにプロ?)

「もう、ゴキブリはとりぶうにまかせる。」

ミスター最悪はわたしの話を聞き終わらないうちに、ゴキブリのようなふてぶてしさで言います。

あれまあ、子どもっぽい。

しかし、まかされたら案外がんばる女、とりぶう。

「よっしゃ、まかせとき!まあ見ててみい。

ゴキもあたしにかかったら一発やからな!うはははは!」

と大いに自慢して胸をたたいたのでした。

(どっちが子どもっぽいねん!)

わたしは子供の頃からやたらと大口をたたくクセがあります。

兄、姉、妹にはさまれて、あまり期待もかけられずに育ったので、期待されると燃えるのです。

さあ、どっからでもかかってこい、デカゴキ!

この部屋のなかにとりぶうさまといっしょにいるということは、もう死んだも同然。

あんたもそこまで大きくなったんだったら、もう思い残すことはないはず。

わたしはデカゴキとの対決に胸を躍らせていました。

そして、対決はその夜にやってきたのです。つづく。

大人の工作とダイエット

(270)

ミヤコさんがリビングでテレビを見ている。

「お、この番組なつかしいなあ。再放送やってるんだ。

ポッポさんの工作番組『できたかな』。」


ミヤコさんはうれしそうにテレビに見入る。

「なんだか、工作したくなってきたな。」

ミヤコさんは立ち上がって物置に行く。

「なにか材料になりそうなものは・・と。」

ミヤコさんはいくつかダンボールを引っ張り出す。

奥のほうから見覚えのある箱が出てくる。

「あれ、この箱・・・。あ!そういえば、何年か前、買ったダイエットベルト。

ナツミが反対するから、ナイショで買ったさね。

けっこう高かったんだよな~。」


ミヤコさんはベルトをとりだしてはめてみる。

「これは効果なかったな。でも、この箱は何かに使えそうだな。」

ミヤコさんはリビングにいろんな箱を持ち込む。カッターとガムテープも用意する。

「さーあ、大人の工作始めるぞ!」

ミヤコさんはさっそくカッターでダンボールを切り始める。

「ナツミのやつ、帰ってきたらおどろくさね。

『すごいわね、あなた。少年の心を持った大人の工作は、こうでなくちゃ』、なんてな。」


ミヤコさんは作りながらにやにやする。

「おっと、この箱。このダイエットベルトの箱は、こっちの壁側に本棚としてくっつける、と。

あとで色塗らないとだめさね。大人の工作は隠ぺい工作もばっちりってね。」


ミヤコさんは手際よく作業を進めてゆく。

「なかなかいいんじゃないか?

こう見えてもオレは、小学校のころは工作クラブに入ってたんだからな。

おっと、そうだ、色塗り、色塗り。」


ミヤコさんの工作が完成したころ、ナツミさんが買い物から帰ってくる。

「ただいま~。あら、やだ。なあにこれ!?」

ナツミさんが目を見開く。

「へへん。すごいだろ。大人の工作だ。少年というのは、ないものから何かを作り出す天才なんだ!

製作費ほぼゼロの大人の隠れ家。名づけて『マモルの書斎』だ!」


ミヤコさんは胸を張る。

「書斎?犬小屋かと思ったわよ。」

「なんだよ、その言い方!」

「あなたって、ほんとに天才だと思うわよ。なかったおなかも、そんなに大きくできるんだから!」

「なにいっ!?オレだって、陰でずいぶんがんばってるんだぞ!

このおなか、ひっこめるために・・・あっ、ベルトしたままだ!」

とりぶう何色?

(269)

近くの漁港でめずらしいものを見ました。

真っ黒の鳥のヒナです。

(とりネタ多いな!)

ニワトリくらいの大きさで、ふわふわの体に、足が長め。飛べない鳥のようです。

わたしたちが現れると、つたたたたと走って藪の中に入って行きました。

「うわ、今のってナントカヤンンバルクイナみたいやったな。」

(ナントカはいらん)

わたしは嬉しくなって薮の中をのぞきこみました。

「ほんまやな。あれって実写版のとりぶうみたいやな。

あれでもっとふてぶてしかったらそっくりやで。」


しかちくはいいます。

「ちょっと待って。あたしのあの絵、イメージはたまご色やで。」

わたしはちょっと心外です。

「ええ~!たまご色~!?

おまえ、自分の色見てみろよ~。どう見ても、黒!さっきのあの鳥のまんま!」


しかちくはわたしの腕を指して力説します。

ひどいわ。そんなに黒くないよ。

とりぶうちゃんかわいそうやんか。イメージはひよこなのに。
(あれで?)

と思って自分をあらためて見ると。

うわ、黒っ!

たしかに黒い。

中学のとき、学校で1,2を争った黒さは今も健在でした。


宮古島では、高校生くらいになると、女子は日傘をさします。

手足丸出しで黒々日焼けした女子は、子どもかわたしくらいのものです。

持病の日光性湿疹も、真夏になればなぜか影をひそめるのをいいことに、ほとんどノーケアです。

日傘というものも、いまだかつて使ったことがありません。

それはわたしのポリシーです。

めんどくさい、というポリシーなのです!

(ただのなまけもんや!)

その結果。宮古島でも同年代女子としては、1,2を争うくらいに黒くなってしまいました。

最近では、宮古島のおじいおばあにも、

「あんた色黒いさね~。」

とおどろかれる始末。

毎日部活に明け暮れる地元中学生にも、

「オレより黒いさね。」

と笑われるくらいです。

どうだどうだ、宮古島!

移住1年半にしてこの快挙。

来年には、「日本語じょうずですね~。」

くらい言わせてやるからな!

(なに人めざしてんねん!)

夏休みの高校生読書感想文 2

(268)

(読書感想文1 はこちら)

Kとかいう人の話なんだって。

のばしのばしにしてきたけど。

じっさい、読むのはめちゃ大変。

さいしょは、やる気もあったんだ。

つきひはながれ。

はや、

なつやすみ、あと一週間。

つまんない夏休みだったなあ。

とおくに行くこともなかったし。

クラスのみんな、どうしてるかな。

でんわもせずに、メールばっかり。

きのう、ヒナコとメールした。

なつやすみの報告をした。

いいこと、そんなになかったって。



よし、そろそろやるか。

わすれてたけど、読書感想文。

いまから読んでも間に合わないなあ。

こころ、なんて読むのにひと月かかりそう。

こいもしたい。

ロックコンサートも行きたい。

のこり少ない夏休み。

もっと楽しくすごしたい。

ちょっと刺激も味わいたい。

ぬけがけして、彼氏とかつくってみたい。

しゅくだい、忘れて遊びたいけど。

だらけておしまい、夏休み。



「タマヨ、これ読書感想文か?」

「はい。」

「夏目漱石の『こころ』を読んでの感想文?」

「そうっす。」

「どこに感想かいてあるんだよ。

これじゃタマヨの夏休みの感想文じゃないか。というより詩じゃないか。」

「あ、左端、たてに読んでみてください。」

「・・・・・・・・読書暗号文?」

炭水化物メニュー

(267)

西日本と東日本とではごはんに対する考えが違うようです。

東日本では、

『やきそばとごはん』

『うどんとごはん』

『お好み焼きとごはん』

などは信じられないメニューとしてよく語られます。

西日本、とくにわたしが住んでいた関西では、ごはんがついていないと一揆がおこります。

米を出せ!

と打ちこわしに発展します。

そんな地域でした。
(どんな地域や!)

ところが、先日。

こてこての大阪人であるしかちくから、わたしがつくった昼ごはんに対して、

クレームがついたのです。

その日のメニューは、

『トマトとツナとカマンベールソースのマカロニ』

『冷やしそうめん』

『ごはん(ひやごはん)』

でした。

「さすがにすごいと思う。」

とほめられました。

「ようこんな炭水化物ばっかり・・・!」

と絶句されました。

なんや、ほめてないんかい。

「何かおかしい?ごはんとおかずやん。」

わたしは当然のごとく答えます。

「主食は?」

「ごはん。」

「おかずは?」

「マカロニ。」

「じゃあ、そうめんは?」

「汁物。」

「ええ~!さすがにそれはありえへんやろ。せめて、ごはんはいらんで。」

などといいます。

ごはんいらん~?

大塩平八郎の子孫とは思われへん発言やな!
(子孫ちがうし!)

みなさん、わたしは間違ってますか!?

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