みなさんこんにちは。
日課である寝る前の音読で、
田辺聖子さんの「新源氏物語」上中下を読み終えた。
最愛の妻、紫の上が亡くなってからは、
いくら光源氏といえども生きる気力を失い、出家してしまうのには、
「その気持ちはわかる」
と、しかちくも深く同意していた。
「な?だから紫の上を大事にせなあかんよな?」
と、紫の上(わたし)は言うのだが。
しかちくは、
「紫の上みたいに、理想の女性になってるみたいな言い方を・・・」
とあっけにとられるのであった。
ところでこの時代、「物の怪がついた女」というのがよく出てくる。
ふだんはおとなしくやさしいのに、
夫が愛人の家に出かけようとすると、(一夫多妻OKの時代)
「この浮気男がぁ~っ!これでもくらえっ!」
と灰を投げつける妻、
みたいな、
今でいうヒステリーがすごい女を、
「物の怪がついた女」として、
お坊さんを呼んで加持祈祷させたりする。
物の怪がつくのは、男よりも圧倒的に女のほうが多い気がする。
たぶん、女性独特の心の乱れを「物の怪」として処理してたのではあるまいか。
更年期のイライラもきっと、
「物の怪」
と扱われ、ふだんの彼女とは別物とみなされていたのだと思う。
しかちくは、
「とりやんもときどき『物の怪』ついてるときあるな」
と言うので、
「そんなときは『物の怪姫』と呼んでな」
と答えた。
ふむ。
「物の怪」がついてるが、「姫」というひびき、
なかなか悪くないなあ。
それでは~
とりぶう