とりぶう の 宮古島日記

宮古島移住者の生活。いろいろなことがあるけど、基本的に楽しい方向で生きていく方針です。夫しかちくと認知症お義母さんとの3人暮らし。

お義父さん、ほんまですか?

お義父さん、ほんまですか?⑤~スズメはメジロ





みなさんこんにちは。

毎朝、うちの庭にはスズメがやってくる。

亡き文鳥モコのあまったエサをまくので、それをお目当てにやってくるのだ。

雨あがりには、庭にたまった水たまりで水浴びをしていて、たいそうかわいい。

そういえば。

亡きお義父さんは、庭のスズメを見て、

「これはメジロや」

と言ってたことがあった。

なんでも、

「ここ(宮古島)のメジロは黒っぽいから、こんな感じや」

と断言していたのであるが。

庭にメジロも来ていたし、まるでスズメとは別物だったのだけど。

なぜかお義父さんは、「宮古島のメジロは黒っぽいスズメだ説」を唱えていた。

だれから吹き込まれたんやろ?

嫁の立場では異を唱えることもなく、

「へ~、そうなんですか・・・・」

と聞き流すしかなかったのだが。

スズメを見ていると、ときどき思い出す。

いまさらながら、



おんなじなん?





「お義父さん、ほんまですか?」

と聞きたいんだなあ。


それでは~


とりぶう

お義父さん、ほんまですか?④~ハチに刺されて





みなさんこんにちは。

宮古島に移住して、お義父さんは知り合いに習い養蜂を始めた。

そのため、我が家の裏庭にはミツバチの箱がたくさん置かれ、

うかつに近寄れないエリアになっていた。

めったに刺されることはないが、お世話をする人はやはり刺される。

お義父さんはしょっちゅう刺されていた。

そして、

「ハチに刺されたらガンにかかれへんらしいわ」

と語っていた。

「お義父さん、ほんまですか?」

と、思ったが。

「養蜂家はガンにならんらしい」

という。

ハチに刺されたら何かしら体内に抵抗力的な抗体的な何かが作られるのかもしれん、

と、納得。

2回刺されたわたしは、ガンにならないのだなと、ちょっと安心していた。

そんなお義父さんが、一年前亡くなった。

ガンだった。





どこからの情報?





そら、そうやんな。

ハチにそんな万能力ないよな。

いまさらやけど、

「どこからの情報だったんですか?」

と、千の風になって吹かれているであろうお義父さんに聞きたいんだなあ。


それでは~


とりぶう

お義父さん、ほんまですか?③~大相撲





みなさんこんにちは。

大相撲が好きで毎日見ている。

北勝富士関が休場ということで、取り組み前のたくさんのルーティンが見れないのがちょっと残念なのだが。

北勝富士といえば。

ちょっと寂しい頭髪で知られる。

いつまで髷を結えるのだろうと、相撲ファンをハラハラさせている。

が。

亡きお義父さんは、北勝富士の髷を、

「あれは髪が多すぎてわざわざ剃ってる」

と言ってた。

思わず、

「ほんまですか、お義父さん!?」

と聞かずにはおれなかった。




北勝富士






一瞬、

「ひょっとしたらそんなこともあるのかも」

と思った自分が恥ずかしい。

お義父さんは相撲に詳しいお方だったが、

ときどき、こういったアヤシゲな情報もあったので、

他人には言わないでおこう、と思うのだった。


それでは~


とりぶう

お義父さん、ほんまですか?②~最後の晩餐




みなさんこんにちは。

最後の晩餐に何を食べたいか?

という話題を、しかちくとわたしはするのが好きで、

やっぱりオレは肉やな、肉と卵、

あたしは豆ごはんと鰹のたたき、あと麻婆豆腐、

などと言い合うのだが。

まだわたしたちが結婚して数年、義両親と同居してそんなに経っていないころ、

その話をお義父さんにした。

お義父さんはフランス料理のコックであったというのが自慢の人で、

旅好きで、いろんな料理を食べてきたと豪語してきたので、

きっとお高いフランス料理だか日本料理のなんちゃらとか言い出すのだろうと思っていたら。

お義父さんは秘密の話をするように身を乗り出し、

「オレはカップヌードルやな」

と言った。

「カップヌードル!お義父さん、ほんまですか!?」

思わず聞き返した。






最後の晩餐





きっとテレビで「カップヌードルのすごさ」みたいな特集をやってたのだろう。

お義父さんは無類のテレビ好き。

とにかくテレビで仕入れた情報をひとしきり話すのが常であったので、カップヌードルも直近の情報だったのではないだろうか。

数年後。

また最後の晩餐の話になった。

わたしたち以外にもだれか親戚がいたように思う。

お義父さんが最後の晩餐を聞かれたので、わたしはすかさず、

「お義父さんはカップヌードルですよね?」

と言った。

「わたし、ちゃんと記憶してますよ」というアピールの気持ちもあった。

ところが、お義父さんは「冗談言わんといて」という表情になり、

「とりぶうちゃん、それはないわ」

と言い放った。

隣にいたお義母さんも「困った嫁」という目でわたしを見ている。

そして、

「オレはやっぱりフランス料理やな」

と言うではないか。

はあ~~~~~~~!?

あのときドヤ顔で「カップヌードル」て言うたやんか!

なにが「フランス料理」やね~~~~ん!

心の中はものすごくもやもやしたままだったが、嫁という立場ではなにも言えず。

また、親戚がいる前でお義父さんに恥をかかすわけにもいかず、へらへら笑ってその場をごまかしたのだった。

あとでしかちくが、

「おやじが確かに「カップヌードル」て言うたの覚えてる」

と言ってくれたので、それだけが救いだった。

去年。

お義父さんは亡くなる前、食がだんだん細くなっていった。

何を食べてもすぐにもどしてしまう。

しかし、もともと食べるのが好きだった人なので、食べることを欲した。

だからわたしたちも、お義父さんが食べたいというものをできるだけ用意した。

そんなお義父さんが食べた最後の晩餐は、

カップラーメン(金ちゃんヌードル)だった。

ちゃんとした食べ物らしいもので食べた最後のメニューは、カップラーメンだったのである。

わたしは心の中で、

「やっぱりフランス料理じゃないやん」

とひっそりつぶやいた。

あのとき、「とりぶうちゃん、それはないわ」とハシゴを外されたけど。

ようやくもやもやが晴れた気分だったんだなあ。

それでは~


とりぶう


お義父さん、ほんまですか?





みなさんこんにちは。

ウォーキング途中のサトウキビ畑で、よくウズラを見かける。

ウズラといえば思い出す。

亡きお義父さんが言ったこと。

「ウズラは渡り鳥らしいわ」





渡り鳥?





あの重そうな体で渡れる?

サトウキビの上を低空飛行するのがやっとの鳥が?

島から島へ何百キロも?

思わず、

「お義父さん、ほんまですか!?」

と疑ったのは言うまでもない。

それでなくてもお義父さんという人はアヤシゲな情報にあふれてる人だった。

テレビかどこかで仕入れた知識を、真逆に覚えて披露するような人だった。

今日、この記事を書くにあったって。

あらためて「ウズラ 渡り鳥」を検索し、

ウズラが渡り鳥なわけはないという根拠を探そうとしたら。

ほんとに渡り鳥だった!

ウィキペディアにも、

「ウズラ類はキジ科では唯一真の渡りを行う」

とある。

まさかのお義父さんほんとのことを言ってた説。

いまさらながら、疑っててすいません。

ということは。

同じように今までアヤシイ情報だと疑っていた「宮古島にミンクが大量にいる説」も、

案外ほんとのことかもしれんなあ。

それでは~


とりぶう

読者登録
LINE読者登録QRコード
ギャラリー
  • 小さくなるにもほどがある
  • むくみの朝
  • トリのバター焼き
  • 本棚の中身
  • とりぶう家の食卓15~たけかんむりに旬で筍なのだ
  • ぢっと腹を見る
  • 恩師がなくてもしっかり育つ
  • 長いロードの果てに
楽天市場
アーカイブ
カテゴリー
楽天市場
  • ライブドアブログ